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2017-12-06 セキュリティニュースまとめ

TeamViewer、セッションを共有中のユーザーが、別ユーザーのコンピュータ画面を、許可なく制御可能になる問題を修正

threatpost.com

  • パッチは 2017-12-05 にリリース済
  • 発生していた問題:
    • TeamViewer でデスクトップセッションを共有しているユーザーに許可なく他人のコンピュータを制御できる問題
    • プレゼンターとして参加している場合: サイドスイッチ機能を利用することで、通常クライアント側からの許可が必要なはずのセッション参加者のコンピュータが許可なく制御可能になる
    • ビューアとして参加している場合: プレゼンターのコンピュータを許可設定に関係なく制御可能になる
  • 影響を受けるバージョン:
  • 考えられる悪用シナリオ:
    • テクニカルサポート詐欺 *1

人気キーボード AI. type、3100 万人分のユーザの端末情報に加えキーストロークを取得していたことが漏えいしたデータから判明

thehackernews.com mackeepersecurity.com

  • 2010 年頃からある Android/iPhone 用の人気キーボードアプリ AI. type
    • 同アプリの開発はイスラエルのテルアビブにあるスタートアップが提供
  • 同スタートアップが収集していた 577 GB 分の全データが漏えい
    • 原因: MongoDB の設定ミスか?
  • 同 db から漏えいした情報:
    • 氏名、電話番号、メールアドレス
    • バイス名、画面解像度、モデルについての詳細
    • Android バージョン*2、IMSI 番号、IMEI 番号
    • モバイルネットワーク名、居住国、ユーザーが選択中の言語
    • IP アドレス (存在する場合)、GPS ロケーション (緯度・経度)
    • SNS に紐付いたリンクと情報 (Google+, Facebook など、生年月日、メール、写真をふくむ)
  • 検証により上記に加えて下記も流出させられることが判明 (iPhone での検証)
    • 連絡先に登録したすべてのユーザー情報
  • 「漏えいした詳細なユーザー情報は今後サイバー犯罪に悪用されるだろう」
  • 「端末上の全データへのアクセスを要求するツールの導入は、漏えいした場合にそれに見合う価値があるものか検討せよ」

Androidデベロッパーツールに脆弱性 (ParseDroid): アプリ開発者 PC 上のすべての情報が漏えいする可能性

www.darkreading.com research.checkpoint.com threatpost.com

  • APKTool の XML External Entity (XXE) の脆弱性 ParseDroid
  • 開発者の PC 上のすべてのデータにアクセス可能
  • 悪意のある AndroidManifest.xml ファイルにより XXE の脆弱性を悪用可能
  • 以下のような開発ツール (IDE 環境) で任意の Android プロジェクトにに悪意のある AndroidManifest.xml ファイルをロードさせると、攻撃者が組んだ任意のファイルを生成させることができる
  • 上記をふくむ同脆弱性の影響を受ける IDE 環境のデベロッパーにはすでに 2017 年 5 月に連絡済み
  • 原因: APK のデコンパイルおよびビルドを行うさい、APKTool のパーサがプログラム内で行われる外部エンティティへの参照を無効にしていない
  • 攻撃のシナリオは多数考えられる
    • 脆弱性を悪用して悪意のある AndroidManifest.xml を読み込ませれば開発者のPCの全ファイルが攻撃者から見える状態になる
    • XXE 脆弱性ペイロードをふくむ悪意のある Android Archive Library (AAR) を公開されているリポジトリに挿入する

ビットコイン関連サイトへの DDoS 攻撃が急増

www.darkreading.com

  • ビットコイン関連サイトへの DDoS 攻撃が急増している
  • DDoS によるビットコイン価格操作の可能性
  • ライバルのビットコイン関連サイトが DDoS 攻撃をしかけている可能性
    • 安定して稼働するサイトへユーザーど誘導しマーケットシェアを広げる意図

*1:ニセのセキュリティ画面を表示し、不安になって電話をかけてきたユーザーを遠隔サポートサービスを騙って TeamViewer 画面に誘導、その後はユーザーに遠隔操作を許可することに同意させなくても遠隔操作が可能になる、といった用途

*2:iPhone 版もあるため iPhone でも同様の情報が漏えいしているものと考えられる。検証でも iPhone が利用されている